症例集

メタルコアとファイバーコア

 

 

『コア』というのは土台のことです。 

主に根の治療(根管治療)後、失った歯を補う為に入れるものです。

 

『メタル』と『ファイバー』は材質のことを指します。

 

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メタル(写真右)は金属のことです。

ファイバー(写真左)はグラスファイバーの繊維に樹脂を巻きつけているものです。

今回はその特徴をご説明していきたいと思います。

コアコア4.1-thumb-400x300-1875.jpg

左側がメタル・右側がファイバーで上から咬む力を与えたと仮定します。

メタルの方は根の先に向かって力が拡散していくのがわかります。要は歯に『楔(くさび)』が刺さっているのと同じ効果になります。

ファイバーは歯の頭部分に限局して分散しているのがわかります。無理な力がほとんどかかっていません。

(ほんとはもっと細かい力の方向が存在するのですが、今回はわかりやすくする為に単純化しました。)

コアコア1-thumb-300x225-1877.jpg

矢印の部分に黒い線が確認できると思います。

これは『破折線(歯根破折)』です。メタルコアの楔の効果で歯が割れてしまったと考えられます。

すべてのケースでこうなるわけではありませんが、ファイバーコアは力の分散によりこういう割れ方はしにくいです。

コアコア2-thumb-300x225-1879.jpg

 

矢印の幅(歯の厚み)が薄くなればなるほど『歯根破折』の危険性が増します。

この幅のことを『フェルール』と言います。

 フェルールが薄いほどファイバーコアが適していると言えます。

コアコア3-thumb-300x225-1883.jpg

咬む力は個人差がありますが、

上の写真は咬む力によって有髄(神経が残っている状態)にもかかわらず歯が割れてしまったケースです。

神経が無いと栄養が絶たれるため、歯自体が脆くなる性質があります。

 

極力最悪の事態(歯根破折)を避けるために土台の材質は、症例によって慎重に選択すべきだと思います。 

 

 

 

 

 

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歯根端切除

こんにちは、歯科医師の原島です。

今日は、外科的な根の治療例です。

下の写真の患者様は全体を治したいと言って来院された患者様です。

写真の真ん中より右側の歯茎の所に白い物ができています。

このようなものをフィステルといって、中に膿が溜まっており出てくる直前の状態です。

通常このような場合、差し歯を外して根っこのお掃除をしていきます。

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下のレントゲン写真は、術前のものです。

他院で行った差し歯のピンが深く挿入されているため、除去が不可能と判断しました。

今回は金属部除去不可能と判断したため、外科的に感染部を除去することにしました。

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下の写真は術中のものです。

少しメスで、歯茎に切開を加えて、外部から、感染部を除去しました。

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術後の縫合した状態です。

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術後3週間後です。切開したところも分からなくなっている位治りが良い状態です。

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1ヵ月後のレントゲン写真です。

右側が処置した歯です。根っこの周りにあった黒っぽい透過像も少なくなっています。

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現在術後3ヶ月ほど経過していますが、経過は良好です。

歯の根の外科的な治療は、最終手段です。

人為的に根を短くするため、歯の頭の部分:根の長さ(歯冠歯根比)のバランスが崩れてしまうため、出来れば避けたいしょちです。

今回は特殊な状態であったため、やむなく行いました。

このようになる前に是非、歯科医院で検診を受けてください。

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歯肉の変色

審美障害を主訴に来院されました。

歯肉変色2-thumb-300x225-1829.jpg

問題点として歯の色の調和が得られていない・古くなった詰め物・歯肉(歯茎)の黒色が挙げられます。

黒くなった 歯肉の原因は被せ物と土台で使用した金属が歯肉に透過したことが考えられます。

 

歯肉の色を大変気にされていたので今回は金属をまったく使わない「メタルフリー」で治療を行うことにしました。

歯肉変色1-thumb-300x225-1831.jpg

右上1番目の歯を咬む面から見た状態です。

根っこが黒く変色しているのが判ります。これは長年使用していた金属の成分が歯に溶け出してしまったからです。

これも歯茎を黒くする原因なので漂白で改善することにしました。

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漂白後です。

注目は歯肉の色です。健康的なピンク色に戻りました。

わずかに黒い部分が残っていますが、これ以上の変化は得られないと判断しました。

 

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土台を装着した状態です。

ファイバーコアと言ってグラスファイバーの繊維にプラスチックを巻きつけた土台です。 

 

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最終的な被せ物は金属をまったく使わないオールセラミックで作製しました。

歯の色の調和・形態の対称性・歯肉の色調改善すべてが整ったと思います。

 

 自然な仕上がりです。患者様にも満足していただきました。

 

 

 

 

 

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プラスチック(レジン)+Gold In(ゴールドインレー)

 

虫歯の治療と言ってもさまざまな方法があります

今回はプラスチック(レジン)とGold In(ゴールドインレー)について解説したいと思います。

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矢印の部分に茶色い虫歯が確認できます。 

成人を過ぎると歯と歯の間が虫歯の好発部位となります。

はっきり行って見つけずらいです。

荻野3-thumb-350x262-1676.jpg

削り終わった状態です。

隣の歯も虫歯になっていました。

矢印の部分は大きさにして0.5mmくらいでしょうか。

削った部分だけ審美的に修復するにはプラスチック(レジン)しか方法はありません。

この材料は元々サラサラな状態ですが特殊な光を当てると固まります。

荻野4-thumb-350x262-1678.jpg

気泡が入らないように静かに材料を流し固めます。

虫歯は3次元的に複雑な形で進行していきますが、プラスチックは削ったその部分のみに流す事が可能です。

段差を作らないように研磨には注意が必要です。

必要最小限の切削量で治療が済んだと思います。

 

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ひとつ後ろの歯にはGold In(ゴールドインレー18K)を選択しました。

1:精度が高い

2:歯とほとんど同じ硬さの為、咬み合う反対側の歯を傷つけたりしません

3:劣化しにくい(長持ち)

などの理由から有益な材料なのですが、色が良くないんです。

 

上の奥歯など見えない場所にはより最適な材料と言えるでしょう。

 

 

 

 

 

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露髄

 

「露髄」とは歯の中に存在する神経(歯髄)が一部外界に露出した状態のことを言います。

そのような状態になった歯は多くの場合、神経を取る(抜髄)処置になるわけです。

しかし、歯が欠けやすくなる・細菌の感染を引き起こしやすくなる等のデメリットは大きく、できることならば『神経の保存』が望ましいわけです。

 

今回は一部露髄を起こした神経を保存した症例です。

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初診時の状態です。歯と歯の間に黒い線が見えます。

露髄デンタル-thumb-300x225-1660.jpg

レントゲン写真です。赤枠のところが虫歯の部分です。

黒く透けているのが判ると思います。かなり大きそうですね。

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虫歯を取りきったところです。

矢印のところが露髄した場所です。赤い部分は神経から出血を起こした状態です。

露髄3.3-thumb-350x262-1667.jpg

中を洗浄し、神経からの止血が確認できた時点で強めの接着剤で封鎖していきます。

止血できない場合は残念ながら神経に炎症が起きているとみなして抜髄処置へ移行します。

露髄4.4-thumb-300x225-1669.jpg

さらに上から違う種類のセメントを埋めて当日の処置は終了します。

ここから長いと3ヶ月から半年くらい経過観察し最終的な詰め物を装着して治療の終了になります。

 

この方法は必ず上手くいくわけではありません。

治療器具による摩擦熱・風・水流などの刺激が神経に直撃するわけですから、後々疼痛が出て抜髄処置になることもあります。

術前に成功率・術後の経過などしっかりご理解いただいた上で本処置を行います。

 

 

 

 

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漂白+プラスチック(レジン)充填

 

前歯部の審美障害を主訴に来院されました。

神経の処置をすると透明感がなくなり、茶色っぽく変色を起こしていきます。

古くなったプラスチックの詰め物も審美性を阻害しています。

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初診時の状態です。

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初診時のレントゲン写真です。
白く写っているのが根っこのお薬ですが根の先に異常は見られないので再根管治療の必要はなさそうですね。

斉田2-thumb-350x262-1500.jpg

まず色を改善しました。薬剤を使って歯を漂白します。もちろん歯の色調の改善も見られますが、注目は歯肉(歯茎)。

術前に比べて黒っぽさが取れてきました。歯が漂白されたことにより、歯肉に透過していた歯の黒さが無くなった為と考えられます。 

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漂白が終わったとこで古いプラスチックを除去し、再充填していきます。


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以前の詰め物より自然な形態・色調をできる限り再現しました。

ナチュラルに仕上がったと思います。

 

漂白は経年的に色の後戻りを起こします。

そのため色が気になり始めたら再漂白を行い、色の調整を行う必要があります。

 

 

 

 

 

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ディスタルウェッジ

「ディスタルウェッジ」とは「歯肉切除」のことで歯周外科の術式のひとつです(歯周外科の詳しい説明は当HPの「歯周外科」を参照)。

言葉だけ聞くととても怖い処置に聞こえますが、このページで少しでも不安を取り除いていただければと思います。

歯科領域における代表的な外科処置は抜歯です。乱暴な言い方をすれば『抜歯は破壊行為』『歯周外科は形態修正』ですから術後の痛みや腫れは少ない処置といえます。

どのような場面でこの処置をするかというと被せ物を入れる術前処置として行います。

実際の症例です。

須藤1-thumb-350x262-1373.jpg

白く写っているのが仮歯です。これから最終的な被せ物にします。

一見何の問題もないように見えますが・・・

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仮歯を取ったところです。

矢印の歯茎が歯の位置より高くなっています。

これでは被せ物も薄く仕上がり、ただでさえ強い力のかかる奥歯ですから長期の予後に疑問符がつきます。

そこで外科処置をして強制的に歯茎の位置関係を変えていきます。

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術直後の状態です。

余分な歯茎を除去しました。

この状態で2ヶ月から3ヶ月経過を診ます。

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歯茎も綺麗に治りました。

比較すると、余分な歯茎がなくなった分だけ歯の高さが得られました。

これで厚みのあるしっかりとした被せ物が作れます。

口の中の傷は一般に治癒が早いと言われています。

歯茎がなぜピンク色かというとたくさんの毛細血管が透けているからです。血液は栄養を運んでくれます。

血管が豊富ということはその分、組織の再生が早いことを意味しています。

治療に対するご理解が得られた上でこのような処置をさせていただいています。

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インプラント(サイナスリフト同時埋入法)

 こんにちは。

そろそろ梅雨の準備をしなければ・・・

雨は嫌いな(紫外線大好き「スタッフからもクロンボ先生と言われています」)原島です。

 

本日はインプラントについてです。

一昔し前は、骨が無いとインプラントは無理といわれていました。しかし、現在では、インプラントを埋入する場所に骨がなければ造ることができるようになりました。

今回は、上顎の臼歯部にインプラントを行う予定の症例です。

下のレントゲン写真で黄色の線の所は上顎洞といって鼻の空洞部になります。

一見骨はしっかりあるようにみえますが、CTを撮影すると実際は骨は少ない結果でした。

 


術前パントモ.JPGのサムネール画像

下の写真は実際インプラントを埋入した状態です。矢印のところにインプラントの先端が見えます。

通常、上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)をゆっくり骨から剥がしていき、人工骨を入れて1回ふたをします。

しかし、本症例では、粘膜を剥がし、インプラントを埋入、人工骨の補填と1回で終了しました。

インプラントを埋入したときにしかっり1次固定が得られたためこのような事ができました。

IP埋入.JPGのサムネール画像

下の写真は使用した、人工骨です。

人工骨.JPGのサムネール画像

人工骨を補填した状態です。

このあとしっかり縫合して終了です。

骨補填.JPGのサムネール画像

術後のレントゲン写真です。

黄色の線の所まで、しっかり人工の骨ができあがっています。

術後パントモ.JPGのサムネール画像

翌日の口腔内の状態です。

しっかり縫合されています。また、腫れもなく患者様も疼痛等無い状態でした。

ナート.JPGのサムネール画像

1週間後、抜糸した状態です。

患部は、この後インプラントが骨と結合するまで待ちます。

抜糸.JPGのサムネール画像

 このように、当歯科医院では、骨がなくインプラントは無理と言われた方でも可能です。

是非、他院では無理と言われ、諦めてしまっている方、一度ご相談にいらしてください。

様々なオプションお用意してお待ちしております。

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ラミネート

 

ラミネートとはセラミックでできた付け爪のようなものです。

特徴としては歯質の削除量が少なく保存的に治療が行えることと、セラミックなので 審美的に綺麗だということです。

 

それでは実際の症例を見てみましょう。

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初診時の状態を模型にしたところです。上の右から2番目の歯の表面がざらついているのがわかります。

原因は歯の形成時期に何らかの影響を受けてしまった為と考えられます。

審美的な改善を希望されて来院されました。

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矢印の部分は虫歯の為削らしてもらいました。

表面は約0.5mm程の削除を行ったのみです。

左側の被せ物も劣化が著しかった為、再製することにしました。

左右の歯の大きさを比べていただくと如何に削除量が少ないかが判っていただけると思います。

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矢印の舌側はまったく触っていません。たったこれだけと思うかもしれませんが歯質を残せるというのは大きなメリットです(凍みる・痛むなどの症状が出にくい)。

 

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セットした状態です。

必要最小限の削除量で審美的に仕上げることができ、患者様にも喜んでいただきました。


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術後2年経過した状態です。順調ですね。

これからも慎重に経過を追っていきたいと思います。

 

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審美義歯(ノンクラスプデンチャー)

こんにちは、歯科医師の原島です。

新型インフルエンザが流行していますが、当院でも、予防対策はしています。

当たり前ですが外に出たら、必ず手洗いうがいをし、消毒用アルコールで消毒するようにしています。

 

今回は、ノンクラスプデンチャーといい、部分入れ歯のバネが無い入れ歯です。

写真の患者様は、左上56の2本歯がありません。通常ですと、このような場合奥歯の1本と、手前の1本に金属製のバネをかけて入れ歯を安定させます。

しかし奥歯は、見えませんが、手前の歯のバネは笑うと金属のバネが見えてしまい審美的によくありません。

そこで、手前の歯のバネを審美的な物を使用するのが、ノンクラスプデンチャーといわれるものです。

ノンクラスプ2.jpgのサムネール画像

 

出来上がった入れ歯が下記の写真です。

見えない奥歯には、通常通りの金属製のバネを使用しています。

手前の2本の歯に、入れ歯のピンク色と同様のバネが付いています。

ノンクラスプ3.jpgのサムネール画像

 

口腔内に入れた写真です。バネが付いているのがほとんど分からない状態になりました。

患者様も大変喜んでいただけました。

ノンクラスプ1.jpgのサムネール画像

このようにな入れ歯も当院では行っています。

残っている歯の状態によっては不可能な症例もあります。

入れ歯でお悩みの方是非一度ご相談にいらして下さい。

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