アーカイブ: 2010

付着・角化歯肉の重要性

こんにちは、今日は歯肉について書きたいと思います。

歯周病という病気は最近皆様も周知している言葉だと思います。

予防に関しては、定期検診・毎日の正しいブラッシングで予防できます。しかし、ただ、検診・ブラッシングをしても、歯肉の状態によっては無意味になってしまいます。

歯肉には、固い(動かない)歯肉と柔らかい(動く)があります。

皆様も、鏡をもって「ほっぺた」を引っ張ってみてください。健康な方であれば、頬側で動く歯肉と、歯側(歯と歯肉の境3-4mm程度)動かない歯肉があると思います。

歯周病予防には、この固い歯肉(付着・角化歯肉)が重要です。

 

付着歯肉とは歯槽骨に付着し、可動性のない部位の歯肉のことです。

付着歯肉が少ないとプラークコントロールが困難になったり、細菌感染に対して弱くなってしまったりします。

不幸にしてこの固い歯肉が無くなってしまった場合は、外科処置が必要になります。

方法としては、上顎の口蓋から歯肉を採取して移植をする方法などです。

インプラントに関しても同様です。インプラントを長持ちするには、この角化歯肉の存在が重要になります。

そこで症例です。

下の写真は術前のものです。歯が無い部分の角化歯肉がありません。

角化歯肉 前.jpg

この状態でインプラントを行っても良いのですが、予後が悪そうです。

そこで特殊な方法を行い、角化歯肉を獲得しました。

従来行われている移植は、術後の痛みが強いため我々も出来る限り行いたくありません。

今回は移植ではなく、インプラントを行う際に従来と少しことなる切開を行うことで、角化歯肉を獲得できました。

術後の写真です。

角化歯肉 後.jpg

先にも書きましたが、鏡を持ち、頬を引っ張ってみてください。固い歯肉が1mm以下の方は要注意です。

生きている限り、食事は必ず行います。皆様もしっかり食事ができる様に上手に歯科医院を活用しましょう。

原島

 

赤坂の歯医者【赤坂デンタルオフィス】土日診療/平日夜8時半

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根の治療

感染根管治療というのをご存知ですか?

根管治療とは、リーマーやファイルと呼ばれる器具で細菌に感染してしまった歯質や神経を徹底的に除去し、歯の根の病気(根尖病変)を治療・予防するものです。

「Root Canal Treatment」を略して「RCT」とも呼ばれます。

root02.jpg

 

当院で根管治療うけた患者様が1年ぶりに来院したため、患者様の了解を得て、根管治療をした部位をレントゲン撮影させていただきました。

 

治療中のレントゲン画像です。

RCT.jpg

左側の根の先に膿がたまって根の先の骨を溶かしてしまっています。

徹底的な清掃、感染物質の除去、消毒を行い根の治療を終えました。

根管治療をするとき、ラバーダム・顕微鏡などを併用すると予後が良いといわれていますが、無くても大丈夫なことを照明させていただきます。

1年ぶりのレントゲン写真が下の状態です。

 
RCT after 1y.jpg

根の先にあった透過像は全く無くなっています。

先にも述べましたが、根管治療するときにラバーダム・顕微鏡があると治療成果が上がるのは事実です。

そのような器具等がなくても、徹底的な消毒・感染物質の除去を行えば、難しい治療も成功します。

しかし、数回の治療では終わりません。患者様も根気良く通院してください。

我々歯科医師も患者様のご希望にそえるように頑張ります。

 

原島

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咬合平面

『咬合平面』とは簡単に言うと『歯並びをひとつの面としてあらわしたもの』です。

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 理想的に綺麗な平面をしているものもあれば、病的に凸凹しているものまでさまざまです。

 

 咬合平面が乱れていると顎を横に動かしたときに奥歯に不当な力がかかってしまいます。

これを『干渉』と言います。

干渉が起こることで歯自体に痛みが出たり、顎の関節に症状(痛み・関節音等)が出たりします。

 

平面の修正はいろいろな方法がありますが今回は矯正で修正した症例です。

圧下1-thumb-300x540-2893.jpg

一見問題のない歯並びに見えますがレントゲン上では下のような写真になっています。

圧下2.1-thumb-350x262-2898.jpg

赤い線は現在の咬合平面をあらわしています。下方に膨らんで上方に跳ね上がっていていわゆる病的な咬合平面です。

青い線は理想的な咬合平面をあらわしています。赤い線に比べてカーブが緩やかです。治療終了の目標になります。

黒い矢印は咬合平面を修正せずに被せ物を作製した為、歯の高さが足りない状態をあらわしています。

圧下2.5-thumb-350x262-2907.jpg

治療計画として赤枠の歯を矯正の力で矢印の方向へ持ち上げます。

右側のバツ印は咬合平面を著しく変形させる歯であり、汚れも溜まりやすく親知らずのため抜歯となりました。

左側のバツ印は虫歯の侵食が著しく保存が不可能な状態でした。

圧下3-thumb-300x540-2900.jpg

赤枠の歯を矢印の方向へ持ち上げます。

 

圧下4-thumb-300x225-2903.jpg

矯正装置が入った状態です。

 少し違和感がありましたがすぐに慣れていただきました。

もともと清掃が上手な患者様でしたので装置に特別汚れが溜まることはありませんでした。

圧下5-thumb-350x262-2905.jpg

矯正後のレントゲン写真です。期間として17ヶ月かかりました。

けして短くない数字ですが余分に歯を削ったりすることなく並びを整えることができました。

 

抜歯したところはインプラント処置を行いました。

あとは下の歯に最終的な被せ物を入れて処置は終わりになります。

 

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エアフロー

今回、当院で行っているエアフローをご紹介します。

エアフローとは頑固なタバコのヤニやコーヒーのステイン、ワインやお茶の着色などを

綺麗に除去するクリーニングになります。

 

歯の表面に着色を付けたままにすると強固にこびりついてしまいお掃除が大変になってしまったり

着色が付着している表面は粗造なためプラークも付着しやすくなります。

 

審美的に着色が気になる方や口腔内を清潔に保ちたい方におすすめなクリーニング法だと思います!

 

エアフロー-thumb-2560x1920-2809-thumb-250x187-2810.jpg

左側がエアフローをする前で右側がエアフローをした後になります。こんなに綺麗になるのです!

 

 

☆お掃除のおこないかた☆


機械-thumb-250x187-2785.jpg

上の写真の機械の先からお水と重層を混ぜたものが噴射してそのいきおいで歯面の着色を除去

していきます。クリーニングと共にかなりの爽快感も得られると思います!

エア下-thumb-250x187-2787.jpg

オレンジのフレーバーを使用しているのでクリーニング中オレンジの香りが充満します(*^。^*)

 

エアフローを行った後は無研磨剤のペーストで一歯ずつ綺麗に研磨をするので歯の表面がツルツルになります!

金子エアフロ-thumb-250x187-2789-thumb-250x187-2790.jpg

                     エアフローをする前の写真です

裏側にかなり着色が付着してしまっている状態です。審美的にはかなり気になりますね・・・

金子エアフロ後-thumb-250x187-2792.jpg

エアフロー後の写真です。こんなに綺麗になりました!!

 

 

もちろんまた着色の強い紅茶、ワインなどの摂取、タバコなどを吸ってしまうとまた着色が目立ってきてしまいますので定期的なお掃除は必ず行いましょう!!

 

 

 

 

 

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磁石を使用した総義歯

 

上下ともに義歯(入れ歯)をつけられた患者様が来院されました。

 特に上の義歯が動くとのことでインプラントも視野に入れ、治療をしていきたいとのことでした。

 

1227.jpg1228.jpg

使用中の義歯(入れ歯)を入れた状態です。 

向かって左側には歯に引っ掛ける『ばね』がついていません。これでは義歯の固定は得られません。

 前歯4本が前に飛び出ているように見えます。歯周病と?み合わせ両方が病的な段階に進んでしまっていることが考えられます。

 

治療計画として・・・

   1:インプラントを打ち、その上に歯を作っていく

   2:歯並びとかみ合わせの改善も行っていく

1029.jpg

義歯を外した状態です。骨を3次元的に把握する為に、CTを撮影しました。

 

残っている上4本は歯周病の進行が著しく、残すメリットが少ないと説明し抜歯することにしました。

奥歯に関しては骨の量が少なく、前の方しかインプラントを打つことができませんでした。

 

よって・・・

 

上には4本のインプラントを打ち、その上に磁石をおいて義歯を固定していくことにしました。

下は残っている歯にこちらも磁石を利用して義歯を固定していくことにしました。

 

磁性総義歯.jpg
 

真ん中2本を治療用義歯の固定のために残してあります。

その周りにインプラントを埋めました。

埋めてから6週から8週間で機能させることが多いですが、今回のケースでは少し骨が軟らかかったこともあり、6ヶ月経過をみました。

 

2770.jpg2771.jpg

真ん中2本も抜歯して3ヶ月が経過し、歯茎も綺麗に落ち着きました。

最終的な義歯を作るために型採りを行います。

 


2823.jpg
2824.jpg
 

 最終的な義歯が入りました。

歯並びも綺麗になり、噛み合わせもしっかりしました。

 

2826.jpg磁石を利用することで義歯のデザインも小さくすることが可能です。

違和感も少なくすることができました。

2830.jpg

 口元も自然な仕上がりになりました。

患者様にも大変喜んでいただきました。

 

メンテナンス頑張っていきましょう。


 

 

 

 

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金属の入れ替え

こんにちは、少し寒さが落ち着いてきましたね。

今日は、虫歯・審美障害の患者様についてです。

初診時の口腔内の写真です。随分前にいれた前歯の変色が著しく変色しています。

さらに、不適合になっているため、歯肉も炎症をおこしてしまっています。

治療前.jpg

不適合な差し歯、詰め物、虫歯、歯周病の処置を行い、最終的な状態が、下の写真です。

患者様のご希望で、下の歯は全て白い物に変更しました。

治療後.jpg

治療期間は約7ヶ月です。

みなさんは長いと思ってしまうかもしれませんが、不適合な差し歯を外し、仮歯をいれ、虫歯の処置、歯周病の処置をしっかり行うと、どうしてもこれ位の期間はかかります。

短期集中治療という言葉を聞くことがありますが、本来の1口腔単位でしっかり治療するとこれ位はかかってしまいます。

つまり短期集中治療とは、結果歯をだめにしてしまう可能性があります。

勿論、歯周病等に罹患していなく、虫歯の治療だけならばこの限りではありませんが・・・

この症例の患者様も含め(保険・自費に関わらず)、費用を払う以上、私たち歯科医師も責任を持って治療します。

当院は短期集中治療は行いません。

治療した歯を永く使用していただくには、どうしても治療期間が長くなってしまいます。

決して、わざと治療期間を延ばす様なことはいたしません。

なぜ長くなるのかは、きちっと説明させていただきます。それでも疑問にかんじることがあれば、どんどん質問をしてください。どんなことでもご質問にお応えいたします。

みなさんも、一度治療が終了したら、メインテナンスのみで歯科医院に通うのみを目指しましょう。

そのために、私たちも全力を尽くします。

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ホームホワイトニング

 今回はホームホワイトニングの症例です。

 

 ホームホワイトニング前の写真です。

ホーム前-thumb-350x236-2647.jpg

患者さまのご希望により、

今回はホームホワイトニングをすることになりました。

 

 

 ホームホワイトニング後の写真です。

ホーム後-thumb-350x236-2650.jpg

患者さまの使用できる頻度にもよりますが、

今回は約3週間で上下それぞれ2本づつのジェルを使用して頂き、

ここまで白くなりました。

 

 

このように、ホームホワイトニングでも十分な効果が期待できます。

 

オフィスホワイトニングと比べると、

時間と患者さまの手間がかかってしまうところがあるかもしれません。

 

でも、追加のホワイトニングや再ホワイトニングには手軽な方法かと思います。

 

 

 個人差などもありますので、お気軽にスタッフにご相談ください。

 

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PMTC

PMTCとは毎日の歯磨きで落ちない歯の汚れや着色を

専用機具を用いてきれいにクリーニングすることです。

(詳しくはクリーニングのページをご覧下さい)

当院で行っているPMTCの症例をご紹介します。

PMTC前の歯の写真です。

ino5.jpg

染め出しをしてみると・・・


ino1.jpg

ino2.jpg

色が付いているところが汚れているところになります。

青い部分はピンクの部分より古い汚れになります。

青い部分は歯ブラシだけでは取り除くことはできません。

バイオフィルムといって歯面に張り付いている膜です。

お風呂場の排水溝のぬめりみたいなものです。

虫歯や歯周病の原因となる汚れなので落としていきます。

PMTC後の写真です。

ino4.jpg

ino4.jpg

着色も落ちて綺麗になりました。

場所や汚れ方によって器具を代えて清掃しています。


PICT0007.JPGのサムネール画像



前歯には小さいラバーカップを使います。


PICT0008-thumb-240x240-2663.jpg

着色などの汚れが落ちにくい場合は青のラバーカップを使います。

PICT0010.JPG

歯と歯の間は三角のチップを使います。

 

清掃した後にコーティングとフッ素を塗布する事で

虫歯、歯周病の予防にもなります。

コーティングは汚れをつきにくくし、汚れがついたとしても
落ちやすい環境をつくります。車のワックスみたいなものです。
歯がツルツルになりますよ。

 
フッ素は歯の再石灰化が促進され、虫歯の進行を抑制します。
1か月から三ヶ月を目安に
受けていただくと効果的です。

お口の健康を保っていきましょう。

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ガイドを使用したプラスチック(レジン)充填

 

向かって右側の歯の先端が変色しています。

 20年前に詰めたプラスチックだそうです。

外観を損ねている原因として・・・

切縁1-thumb-300x225-2588.jpg

 1:色が部分的に違う

 2:左右の歯の大きさが非対称  

 と言ったところでしょうか。

このような問題点を改善しつつ、プラスチックを再充填する事としました。

 

今回はより確実な形態を得る為に、次のような方法を行いました。

切縁2-thumb-300x225-2590.jpg

まず模型を作製し、模型上で理想的な歯の大きさ・形態を確認します。

切縁3-thumb-300x225-2592.jpg

咬みあわせ等問題なければ『シリコンパテ(粘土→硬化するとゴム)』で模型の形態を記録します。

これが実際詰める時の『ガイド(理想的な形態の基準)』となります。

切縁4-thumb-300x225-2594.jpg

古い詰め物と虫歯を全て取り除いた状態です。

切縁5-thumb-300x225-2596.jpg

先ほど作っておいた『ガイド』を歯の裏側から当てて、流れの良いプラスチックを固めて外形を作ったところです。

仕上げとして内部の色を確認しながら充填していきます。

切縁6-thumb-300x225-2598.jpg

充填と研磨が終了したところです。

  今回は3色のプラスチックを選択しました。

 

 色調と形態の両方を改善し、元の天然の状態に近づけられたと思います。

 

 

 

 

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